2色成形とは?仕組み・メリット・材料・費用・事例まで解説
「複数の樹脂部品を一体化して組み立て工程をなくしたい」「柔らかいグリップや透明部を本体と一体で成形したい」——2色成形(二色成形)は、こうした課題を1サイクルで解決する射出成形の工法です。本記事では仕組みからメリット・デメリット、インサート成形との違い、材料の相性、費用の考え方、活用事例までを解説します。
フルヤ工業は2色(異材質)成形機を13台保有し、型締力121〜600tまで対応。DSI成形・LSR異材質成形といった高度な工法や、社内一貫の設備・体制を備え、試作から量産まで対応します。
2色成形とは(結論)
2色成形とは、2種類の樹脂(または同じ樹脂の色違い)を、専用の成形機と金型のなかで組み合わせ、1サイクルで一体化する射出成形の工法です。「ダブルモールド」「異材質成形」と呼ばれることもあります。
異なる色を組み合わせる用途だけでなく、性質の異なる材料を一体化できる点に本質的な価値があります。硬い樹脂に柔らかいエラストマーを一体化する、不透明部と透明部を組み合わせるなど、単色ではできない機能・意匠を、接着や組み立てなしで実現できます。
フルヤ工業では用途に応じて次の工法をラインアップしています。
| 2色成形(色違い) | 塗装やホットスタンプに頼らない、耐久性と高級感のある加飾 |
| 異材質成形 | 性質の異なる2材料を成形工程で接着一体化し、後工程を削減 |
| エラストマー成形 | 軟質材による防水・防滴・グリップ性の付与 |
| Thermoplastic/LSR異材質成形 | 熱可塑性樹脂と液状シリコーンゴム(LSR)の一体化 |
| DSI成形 | 金型スライドを用いた中空品などの一体成形 |
2色成形の仕組みと工法の種類
2色成形機には射出装置(シリンダー・ノズル)が2基備わっています。まず1つ目の材料(1次側)を射出して土台をつくり、その成形品を金型内で移動させたうえで、2つ目の材料(2次側)を射出して一体化します。
フルヤ工業で用いる回転式では、コア側の共通金型を回転させて1次成形品を2次側へ移し、2次材料を射出します。空いた1次側で次のショットを同時に進めるため、初回以降は1ショットごとに完成品が取り出せ、量産効率が高いのが特徴です。金型は1次成形用・2次成形用のほぼ同一形状のものが2面必要になります。
2色成形のメリット
| 組み立て工程の削減 | 接着・ネジ止め・溶着などの後工程を成形に置き換え、工数と人件費を根本から削減 |
| 部品点数・在庫の削減 | 複数部品が1点に統合され、中間在庫や物流コストも低減 |
| 品質の安定 | 成形機内で一体化が完結し、人手に起因するばらつきを抑制 |
| 接着剤レス・高い密着 | 相性の良い組み合わせなら接着剤より強く一体化でき、環境面でも有利 |
| 高機能材料の最適配置 | 高価な特殊グレードを必要な箇所だけに使いコストを最適化 |
| 小型化 | 後組立に必要だった形状を削減し、製品を小型化 |
| 防水・防滴 | 軟質材をパッキン・ガスケットとして一体成形し、シール機能を付与 |
2色成形のデメリット・注意点
導入判断でつまずきやすいのは次の点です。いずれも、経験のあるメーカーと組めば回避できます。
| 初期費用が高い | 1次・2次を作り込む金型は単色より複雑で高価。少量では単価が合わないことがある |
| 材料の組み合わせに制約 | 基本は樹脂同士の組み合わせ。金属など異材の一体化はインサート成形の領域 |
| 設計・材料選定にノウハウ | 収縮率の異なる材料を組み合わせるため、相性が悪いと界面で剥離・バリ・ショートモールドが発生 |
フルヤ工業では、社内のCAE流動解析で充填や界面挙動を事前検証し、こうした不具合を設計段階から抑え込みます。
2色成形とインサート成形の違い
「異なる素材を一体化する」点で2色成形はインサート成形とよく比較されます。最適解は製品内容と数量で変わります。
| 比較項目 | 2色成形(回転式) | インサート成形 |
|---|---|---|
| 組み合わせる材料 | 樹脂同士 | 金属・セラミック等+樹脂 |
| 工程 | 1サイクルで完結 | 部品セットが必要(人手が入りやすい) |
| 品質の安定性 | 高い(無人化しやすい) | セット位置精度に左右されやすい |
| イニシャルコスト | 高い(専用機・複雑な金型) | 比較的安い(汎用機が使える) |
| 量産効率 | 大量生産で有利 | 数量・形状しだい |
目安として、金属を一体化したいならインサート成形、樹脂同士を大量に安定生産したいなら2色成形です。フルヤ工業はインサート成形にも対応しており、両工法を比較したうえで最適な方をご提案できます。
2色成形で使える材料と組み合わせ・相性
2色成形の成否は材料の組み合わせで決まります。1次材料と2次材料が金型内でしっかり接着(融着)するかどうかがポイントで、相性が適正でないと界面で剥離が起きます。代表的な方向性は次のとおりです。
| 硬質樹脂 × エラストマー(TPE/TPU/LSR等) | グリップ・触感・防水。工具、カメラグリップ、操作パネル |
| 不透明樹脂 × 透明樹脂 | 導光・加飾。スイッチ、キーレスボタン |
| 同一樹脂の色違い | 文字・マークの一体成形(塗装・印刷レス) |
フルヤ工業は熱可塑性樹脂同士に加え、熱可塑性樹脂とLSR(液状シリコーンゴム)の異材質成形にも対応しています。用途と要求特性をうかがい、実績のある組み合わせから最適な材料選定をサポートします。
金型・費用の考え方
費用は「初期費用(金型・立ち上げ)」と「量産単価」に分けて考えると判断しやすくなります。初期費用は単色より高くなりますが、組み立て工程がまるごと不要になるため、一定数量を超えると総コストで「単色+組み立て」を下回るのが2色成形の勝ちパターンです。
判断の分かれ目は生産数量です。少量なら初期費用を回収しきれないこともあり、その場合はインサート成形や後工程組立も含めて比較するのが現実的です。フルヤ工業は金型設計・製作を社内に持つため(3次元CAD・マシニング・放電加工・3D金属プリンター等)、設計から量産まで一貫でコストとリードタイムを最適化できます。
2色成形の活用事例・対応業界
フルヤ工業は自動車・時計・カメラ/電化製品・医療・アパレルなど幅広い業界の2色成形・異材質成形に対応してきました。




採用例:◎自動車内装部品 ◎キーレスボタン ◎時計部品 ◎カメラ用グリップ ◎工業用部品 他
フルヤ工業が選ばれる理由(設備・体制)
| 2色(異材質)成形機13台保有 | 型締力121〜600tまで対応。射出成形機は総勢48台 |
| DSI成形機・LSR成形機を保有 | 中空一体成形や熱可塑性樹脂×シリコーンの異材質成形など高度な要求に対応 |
| 設計〜量産まで社内一貫 | 3次元CAD、CAE流動解析(流動解析)、金型製作・精密計測まで一貫 |
| 品質管理体制 | ISO認証取得・クリーンルーム完備 |
| グローバル供給 | 海外拠点(FIT)による生産体制 |
発注前に決めておきたいこと
問い合わせ前に次の情報があると、ご提案・見積もりがスムーズです(未定でもご相談で決められます)。
| 1 | 用途と要求特性(強度・触感・透明性・防水など) |
| 2 | 想定する材料・色の組み合わせ |
| 3 | 生産数量の目安(試作のみか、月産どの程度か) |
| 4 | 図面・3Dデータ・現物サンプルの有無 |
| 5 | 目標コスト・希望納期 |
よくある質問(FAQ)
Q. 2色成形と二色成形、異材質成形は違いますか?
2色成形と二色成形は同じ工法の表記違いです。異材質成形は性質の異なる材料を一体化する技術で、2色成形の一種として扱われます。フルヤ工業はいずれにも対応しています。
Q. 試作だけの相談でも対応できますか?
はい。試作から量産までの流れをご案内します。図面がなくても用途からご提案可能です。
Q. 金属と樹脂を一体化したいのですが2色成形でできますか?
金属との一体化はインサート成形の領域です。ご要望をうかがい、2色成形/インサート成形の最適な方をご提案します。
Q. どのくらいの数量からメリットが出ますか?
製品形状と材料によりますが、組み立て工程を置き換える一定数量以上でコストメリットが出やすくなります。数量を前提に試算します。
Q. 材料が剥離しないか心配です。
相性の適正な組み合わせを選び、社内の流動解析で界面挙動を事前検証することで防ぎます。材料選定からサポートします。
まとめ
2色成形は、樹脂部品を1サイクルで一体化し、組み立て工程の削減・品質の安定・機能付加を同時に実現する工法です。初期費用や材料の制約はありますが、経験あるメーカーと組めば回避でき、数量が見込める製品では強力なコストダウン手段になります。
フルヤ工業は2色(異材質)成形機13台に加え、DSI・LSRといった高度な工法、社内一貫の設計・流動解析・金型・計測体制を備え、試作から量産までワンストップで対応します。「この製品に使えるか」「概算費用を知りたい」といった段階のご相談も歓迎です。図面やサンプルがなくても、用途からご提案しますのでお気軽にお問い合わせください。





